インフォメーション
心電図計測と解析方法について
計測について
- 初めに、500で取り込んだ10秒または任意の秒数の波形の中で、期外収縮などの正常波形ではないものを除きます。
- 心電波形を計測する為に、代表となる1心拍を抽出しなければなりません。
500は、取り込んだ○の波形を、更にMedian(メディアン)という手法を用いて、より正確な値を計算します。心電波形は、1心拍ごとに少しずつ値が違うものです。単純 に平均をするだけでは、誤差が発生します。
Median(メディアン)とは
いくつかのデータの中で中央の値を求めます。これはデータを昇順などで並び替えた場合に、真ん中にある値を求めるものです。単純に算術平均する場合と比べて、データにばらつきがあった場合でも比較的正しい値を求めることが出来ます。
12誘導同位相計測
次に、12誘導を同時に観察します。
先ほど計測した値を、12誘導の同位相でP間隔、QRS幅、QT間隔などの計測を行います。 これによって、より正しい計測値を抽出することが可能となります。
この計測方法は、最近の心電図解析装置で採用されている新しい手法です。
従来の心電図解析装置には、代表1心拍を抽出する為には、単一誘導の2または3心拍目の1心拍のみを計測して心電図解析を行うものがありました。これでは、いくら解析論理プログラムが優秀であっても、正しい解析結果を得るのは困難です。
500は、心電図記録中にノイズが混入したり、数回とり直しをしても、比較的安定した正しい解析結果が得られるのは、以上の理由だからです。
小児心電図解析
500解析ソフトは、小児心電図解析も可能です。年齢は、1歳から正しい心電図解析を行います。
年齢(歳) |
心拍数(洞徐脈) |
洞頻脈 |
<=5 |
<65 |
>140 |
<=8 |
<60 |
>135 |
<=12 |
<55 |
>130 |
<=16 |
<50 |
>120 |
>16 |
<=60 |
>100 |
成人男性では心拍数の正常範囲は下記の通り
Sinus rhythm(洞調律)
|
PR interval is regular |
and |
P waveform is constant |
and |
-30°≦P axis≦120° |
and |
60≦Heart rate<100 |
and |
Max of RR interval – Min of RR interval<0.2×RR interval mean |
500は、優れた解析プログラムを搭載していますが、今後も診断論理については常に見直し、より良い性能に進化して参ります。いつまでも最新プログラムを提供できるよう、頑張ります。 心電ソフトウェアのアップデートについては、弊社ホームページのサポートページから
ダウンロードできます。
診断名称について
2008年3月31日より、日本循環器学会の日本循環器学会用語委員会、循環器学用語合同委員会編による「循環器学会用語集第3版」により、以下の循環器における病名(診断名)が変更されています。
『ECG Explorer 500』は、間違った診断名や古い診断名は使用しておりません。
最新の循環器用語を使用した診断名で自動解析を行います。
英 語 名 |
旧 |
新 |
Premature ventricular contraction |
心室性期外収縮 |
心室期外収縮 |
Atrial premature contraction |
心房性期外収縮 |
心房期外収縮 |
Premature supraventricular contraction |
上室性期外収縮 |
上室期外収縮 |
Sinus arrhythmia |
洞性不整脈 |
洞不整脈 |
Sinus bradycardia |
洞性徐脈 |
洞徐脈 |
Sinus tachycardia |
洞性頻脈 |
洞頻脈 |
ミネソタコード(ソフト)
「日循協心電図コード2005(1982年版ミネソタコード準拠)」に従った解析プログラムを搭載します。
ミネソタコードは特定健診の心電図コード分類などに広く活用されています。
ミネソタコード分類
ミネソタコードは、3桁の数字で構成され、『大分類-中分類-小分類』でコードされています。
ミネソタコードは、『大分類』コード内では、コードの小さい方がグレードが高くなっています。
大分類には、右の項目があります。
■ 1-0 以下のコードが一つも認められないもの
1-□-□Q・QS波
2-□-□QRS軸偏位
4-□-□ST接合部(J点)とST部下降
5-□-□T波の項目
6-□-□房室伝導障害
7-□-□心室伝導障害
8-□-□不整脈
9-□-□その他の所見
(例)8-3-1心房細動(持続性)
検査画面
心電図レポート
コーネルの積(ソフト)
計測値に”コーネルの積”を追加しました。
コーネル積で分かること
左室肥大の心電図評価としての指標となる ⇒ LVEF(左室駆出率)低下による心不全のリスクの評価
検査画面
心電図レポート